外国人が株式を保有する法人による土地購入の注意点

 外国人が株式を保有するタイ国法人がタイ国内の土地を購入する場合、以下の双方に該当しなければなりません。

  1. 外国人の株式保有率が登録資本金の49%以下
  2. 外国人の株主数が総株主数の半数以下


 土地法第97条では次のように定められています。

以下の法人は、土地に関する権利に関して外国人と同様に取り扱う。
(1)外国人の株式保有率が登録資本金の49%超または外国人の株主数が総株主数の過半数である株式会社または公開株式会社
(2)〜(4)略


 従って、外国人が株式を保有する法人が土地の不動産登記を行う際、当該法人が土地法第97条に該当するかどうかにつき株主名簿が審査されます。そして、同条に該当しなければ登記が可能、該当すれば登記が不可能となります。

 審査において、土地を購入した法人が土地法第97条に該当せず、タイ側株主がすべて個人ならその段階で審査は終了します。しかし、タイ側株主に法人が入っている場合はさらにそのタイ側株主である法人の株主名簿も審査され、これはタイ側株主に法人が入っている限り、遡って審査されることになります。

 例えば土地を購入したA法人のタイ側株主にB法人が入っていた場合、B法人の株主名簿を審査し、B法人のタイ側株主にC法人が入っていた場合、C法人の株主名簿を審査する、といった具合です。

 土地法第97条に該当しない法人は株主に外国人が入っていたとしてもタイ人として取り扱われますが、同条に該当した場合、外国人として取り扱われますので、その法人の株式保有率と株主数は外国人扱いになります。

 2005年5月に土地局が通達した「外国人が株式を保有する法人の土地取得について」をもとに具体例を見てみましょう。

A法人

タイ側株主(4名)60%外国側株主(3名)40%
甲氏15%D20%
乙氏15%E10%
丙氏15%F10%
B法人15%  

 タイ側株主にB法人が入っていますので、B法人の株主名簿も審査されます。

B法人(1)

タイ側株主(4名)60%外国側株主(3名)40%
丁氏20%G20%
戊氏20%H10%
己氏10%I10%
庚氏10%  

 このケースでは、B法人は土地法第97条に該当しませんので、タイ人扱いとなります。そして、A法人もまたタイ人扱いとなりますので、土地登記が可能です。

B法人(2)

タイ側株主(3名)60%外国側株主(4名)40%
丁氏20%G20%
戊氏20%H10%
己氏20%I10%
  J 10%

 このケースでは、B法人は土地法第97条に該当し、外国人扱いとなります。そして、B法人が外国人扱いになったことにより、B法人がA法人で保有する株式15%も外国人扱いとなります。

 従って、A法人はタイ側3名・45%、外国側4名・55%となり、A法人も外国人扱いとなりますので、土地登記はできません。

B法人(3)

タイ側株主(4名)60%外国側株主(3名)40%
丁氏20%G20%
戊氏20%H10%
己氏10%I10%
C法人10%  

 このケースでは、タイ側株主にC法人が入っていますので、C法人の株主名簿も審査されます。

C法人

タイ側株主(3名)60%外国側株主(4名)40%
辛氏20%K10%
壬氏20%L10%
癸氏20%M10%
  N10%

 このケースでは、C法人は土地法第97条に該当し、外国人扱いとなります。C法人が外国人扱いになったことにより、C法人がB法人(3)で保有する株式10%も外国人扱いとなります。

 従って、B法人(3)はタイ側3名・50%、外国側4名・50%となりますので、B法人(3)も外国人扱いとなります。

 さらにB法人(3)が外国人扱いになったことにより、B法人(2)のケースと同様、A法人はタイ側3名・45%、外国側4名・55%で外国人扱いとなり、土地登記はできません。

 なお、投資奨励法第27条、タイ工業団地法第44条等により土地取得許可を得ている場合は株主名簿の審査はありません。

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