都市計画の用途地域に注意

 タイでは都市計画法に基づいて各県ごとに用途地域が定められ、数年ごとに更新されています。用途地域は色で分類されていますが、各県の特徴に応じて用途地域の種類が少し異なっています。例えば、サプットプラカンでは工業地域がより細かく区分けされる一方で、チョンブリでは環境・漁業保護地域が指定されているといった具合で、バンコクは10種類、サムットプラカン県は13種類、チョンブリ県は14種類となっています。

 特に製造業にとって注意が必要なのは、工場を操業できない用途地域に工場を建設・購入・賃借したはいいが、操業許可が下りなかったというケースがある点です。実際には工業地域外で工場を操業しているケースが多いのが現状ですが、都市計画がゆるいまたはない時代に操業許可を得て生産している場合も多く、現在では新規に操業許可を取得するのが難しくなってきています。

 工業団地内ではそうした問題は発生しませんが、工業団地外で工場用地や中古工場を購入・賃借する場合は事前に調査が必要です。

バンコクの都市計画図(2013年版)


バンコクの用途地域別色分類
黄色住宅地域(低密集度)
オレンジ色住宅地域(中密集度)
茶色住宅地域(高密集度)
赤色商業地域
紫色工業・倉庫地域
薄紫色(スミレ色)倉庫地域
緑色農業地域
白地+緑色の枠・斜線農業保護地域
薄茶色タイ文化奨励保護地域
青色政府機関・公共施設地域
サムットプラカン県の都市計画図(2014年版)

以下のような用途地域もあります。

オリーブ色教育機関地域
薄灰色宗教施設地域
薄紫色特定工業地域
ピンク色交通・運輸地域
緑地+白色の枠・斜線観光用環境保護地域
薄緑色レクリエーション・環境保護用空地地域
白地+紫色の枠・斜線住民・環境に公害の影響のない一般工業・倉庫地域