タイ社会保険法改正案、4年越し閣議承認
社会保険法の改正案が2026年11月3日の閣議で承認されました。
同法案はプラユット政権下の2022年5月10日に同法の原則案が承認されたものの、その後、政権交代が続く中で店晒しになっていましたが、今回、内容を一部加筆修正の上、あらためて閣議に提出されました。
主な改正点は以下の通りです。ただし、今後の審議の過程で変更になる場合もありますのでご留意ください。
加入要件
- 第33条被保険者(事業所に勤務する労働者)の加入年齢を満15歳以上65歳以下とする(現在は60歳まで)。
- 第39条被保険者(任意継続加入)の加入要件として、第33条被保険者であったときの保険料納付期間を24カ月以上とする(現在は12カ月以上)。
各種手当
- 育児手当は第33条被保険者の資格喪失後6カ月間、受給可能とする(現在は対象外)。
- 産休手当の受給日数を98日とする(現在は90日)。
- 障害手当を賃金の70%とする(現在は50%)。
- 失業手当の受給可能年齢の上限を満60歳とする(現在は年齢の定めなし)。
年金
- 年金受給者(元第33条被保険者および元第39条被保険者)が年金を受給しながら被保険者への加入を希望する場合、被保険者の資格喪失後6カ月以内に届け出ることにより再度被保険者になることを可能とする(現在は年金受給停止)。これにより年金を受給しながら傷病、障害、死亡の各手当の受給が可能となる。
- 社会保険料の納付期間が180カ月以上の被保険者は満55歳以降に老齢年金または老齢一時金の選択を可能とする(現在は選択不可)。
- 社会保険料の納付期間が180カ月以上の被保険者の失業手当(自己都合退職の場合は90日、会社都合による解雇の場合は180日)の受給を可能とし、老齢年金は失業手当の受給資格喪失後の翌月から、老齢一時金は失業手当の受給資格喪失後の翌日からそれぞれ受給が可能となる(現在は失業手当の受給不可)。
- 年金受給資格を有する被保険者は年金月額の60倍を限度に前払いで受給することを可能とする(現在は同制度なし)。
- 社会保険料を60カ月以上納付した被保険者は、生活に甚大な影響を与える災害にあった場合、満55歳前でも老齢手当の一部を受給、または金融機関からの借入の担保にすることを可能とする。ただし、老齢手当の30%または保険料算定賃金の上限の2倍を限度する。

