老齢年金の計算方式改定案、閣議承認
2026年7月14日の閣議にて、老齢年金給付に関する省令案が承認されました。これは老齢年金の計算基礎となる賃金および給付利率等に関する計算方式を変更するもので、労働省は被保険者の年金受給額を平均10%(月額約290バーツ)引き上げる効果があるとしています。
老齢年金の計算基礎となる賃金は現在、退職前60カ月の平均賃金(社会保険料算出基礎の上限賃金以下)が計算対象ですが、この場合、定年退職前に賃金が低下した被保険者や退職後に第39条被保険者(任意継続加入者)となった被保険者等が不利になるものだとして今回の改定案となったものです。
今回の省令は官報告示日から180日経過後の施行となる予定です。
新計算方式
新方式はイギリスの計算方式を参考にした CARE(Career Average Revalued Earnings)というもので、主な内容は以下の通り。
- 被保険者が保険料を納付した全就労期間における平均賃金をもとに老齢年金を計算
- 過去の賃金は現在価値に再評価
- 各被保険者の月額賃金と第33条被保険者全体の平均賃金を比較して全就労期間における累積ポイントを集計し、平均ポイントを老齢年金利率(20%)および全第33条被保険者の退職前60カ月の平均賃金と組み合わせたものを被保険者が受給する年金利率とする「老齢年金ポイント(Pension Point)」の導入
- 満180カ月を超えた月は月あたり0.125%を追加(現在は12カ月ごとに1.5%を上乗せし、12カ月未満は切り捨て)
社会保険料納付期間が12カ月未満の老齢一時金
社会保険料の納付期間が12カ月未満の被保険者は、納付期間が12カ月以上の被保険者同様、被保険者および雇用主が納付した保険料および給付金(運用益)が老齢一時金として支給されることになります(現在は被保険者が納付した社会保険料のみが給付対象)。
5年間の経過措置
CARE方式導入前にすでに年金の受給を開始している者について、新方式による年金受給額が多い場合は新方式に基づく年金額、従来方式による年金受給額が多い場合は従来通り(変更なし)となります。
一方、CARE方式導入後5年以内に年金の受給を開始する者については、新方式による年金受給額が従来方式と比較して少なくなる場合、導入初年度はその差額の全額が生涯にわたって給付されますが、次年度移行は2年目80%、3年目60%、4年目40%、5年目20%と金額が順次低下し、6年目移行はゼロとなります。

