タイ社会保険の仕組み

 毎月、給与から5%が天引きされる社会保険。加入時に指定した病院1カ所だけでしかサービスを受けられない等、健康保険が使えないことでは知られていますが、意外とその詳細については知られていないようです。そこで今回は社会保険の概要を解説します。

社会保険の基本

 保険料は月給に対して5%を労使双方が拠出しますので、毎月10%が社会保険基金に組み込まれます(プラス政府も2.75%を拠出)。ただし、月給の上限が15,000バーツとなりますので保険料の最高額は750バーツ、労使合計で1,500バーツです。日本人の場合、ビザ、ワークパミットの取得要件として月給は5万バーツ以上であることがほとんどですので、必然的に社員が拠出する保険料は750バーツとなります。

 では、保険料5%の内訳はどうなっているでしょうか。社会保険と一口にいっても「健康保険」(傷病、出産、心身障害、障害、死亡)、「雇用(失業)保険」、「老齢年金」の3種類に分かれていて、保険料率は次のようになります。

 従業員会社政府
健康保険1.5%1.5%1.5%
雇用(失業)保険0.5%0.5%0.25%
老齢年金3%3%1%
合計5%5%2.75%

 なお、外国人であっても社会保険への加入および保険料の供出義務は発生しますが、取締役として登記されている場合は適用除外となり、加入義務はありません。

健康保険

 健康保険では治療費以外に以下のような手当があります。

「出産手当」(過去15カ月に5カ月以上保険料を支払っていること)

  • 出産一時金=1回につき13,000バーツ(回数制限なし)
  • 産休手当=平均給与の50%を90日分(2回まで)

「死亡手当」(過去6カ月に1カ月以上保険料を支払っていること)

  • 葬儀代=40,000バーツ
  • 死亡見舞金=保険料支払い月が36カ月以上120カ月未満の場合は平均給与の2カ月分、同120カ月以上の場合は平均給与の6カ月分

「心身障害手当」(過去15カ月に3カ月以上保険料を支払っていること)

  • 重症の場合=給与の50%を終身で支給
  • 治療費、病院への交通費(月額上限500バーツ)を負担
  • 同手当受給者が死亡した場合は死亡手当(葬儀代、死亡見舞金)を支給

「子供手当」(過去36カ月に12カ月以上保険料を支払っていること)

  • 子供が満6歳になるまで1人につき月額400バーツ(1回につき3人まで)

雇用保険

 雇用保険では8日以上の失業状態にある場合に失業手当が支給されます。

「失業手当」(過去15カ月に6カ月以上保険料を支払っていること)

  • 会社都合による解雇(非違行為による解雇を除く)=平均給与(上限15,000バーツ)の50%を180日分
  • 自主退職=平均給与(上限15,000バーツ)の30%を90日分

老齢年金については次回解説します。

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