同性婚合法化の民商法改正案を閣議承認
2023年11月21日の閣議で、同性婚を合法化する法務省提出の民商法改正案が承認されました。今後、国会に提出され、審議される予定です。
同性婚の合法化は前政権時代にもパートナーシップ法案として閣議承認され、野党(当時)提出の民商法改正案とともに国会で審議されましたが、進展を見ないまま政権が交代し、現政権があらたに民商法改正案として閣議承認するに至っています。
主な改正点は以下の通りです。
- 性別を問わず2人の者は婚約または婚姻をすることができる。
- 「男」「女」「夫」「妻」「夫婦」の文言を「人(者)」「婚約者」「婚約受諾者」「配偶者」に変更する。
- 同性同士の婚姻を男女間の婚姻と同等の権利、義務、家族形態とする。
具体的な改正点は以下の通りです。
改正点 | 現行条文 | 改正案 |
婚約者による第三者との性的関係を理由とする慰謝料請求(第1445条) | 男または女の婚約者は、自己の婚約者と性的関係をもった者が当該婚約を知る、または知り得る場合、第1442条または第1443条に基づいて婚約解消を通知したとき、その者に対して慰謝料を請求することができる。 | 婚約者の一方は、自己の婚約者と性的関係をもった者、またはその者もしくは自己の婚約者の求めに応じて自己の婚約者と行為をもった者が当該婚約を知る、または知り得る場合、第1442条または第1443条に基づいて婚約解消を通知したとき、その者に対して慰謝料を請求することができる。 |
婚姻開始年齢(第1448条) | 婚姻は男および女が満17歳に達したときにすることができる。 | 婚姻は両者が満17歳に達したときにすることができる。 |
再婚要件 (第1453条) | 夫が死亡、またはその他の事由により婚姻が終了した女は、婚姻終了から310日を経過した場合に再婚することができる。ただし、以下の場合を除く。 (1)当該期間に出産した場合 (2)同一の配偶者と婚姻する場合 (3)妊娠していないことを証明する医師の診断書がある場合 (4)婚姻を許可する裁判所の命令がある場合 | 配偶者の男が死亡、またはその他の事由により婚姻が終了した女は、婚姻終了から310日を経過した場合に再婚することができる。ただし、以下の場合を除く。 (1)当該期間に出産した場合 (2)同一の配偶者と婚姻する場合 (3)妊娠していないことを証明する医師の診断書がある場合 (4)婚姻を許可する裁判所の命令がある場合 |
婚姻開始年齢と婚姻有効の要件(第1504条第2項) | 裁判所が婚姻の取り消しを命じず、男女が第1448条に定める年齢に達したとき、または第1448条に定める年齢に達する前に女が妊娠したとき、婚姻は当初から有効なものとみなす。 | 裁判所が婚姻の取り消しを命じず、両者が第1448条に定める年齢に達したとき、または男女間の婚姻において第1448条に定める年齢に達する前に女が妊娠したとき、婚姻は当初から有効なものとみなす。 |
婚姻取り消し停止の要件 (第1510条第2項) | 本条に定める婚姻取り消しの権利は、婚姻当事者が満20歳に達した、または女が妊娠したときに停止する。 | 本条に定める婚姻取り消しの権利は、婚姻当事者が満20歳に達したとき、または男女間の婚姻において女が妊娠したときに停止する。 |