タイ法廷内の遵守規則

 タイの裁判所には、訴訟当事者や関係者等に対して法廷内での厳格な遵守事項がありますのでご注意ください。
遵守事項は通常、タイ語で書かれていますが、外国人も当然に遵守義務があります。以下は主な内容ですが、裁判所によって多少異なることもありますので、ご了承ください。
 ほとんどが当たり前の内容ですので違反することはないと思いますが、「足を組む」と「腕を組む」は思わずやってしまいがちですので注意が必要です。

  • 裁判官と話すときは起立すること
  • 武器、刃物、銃、薬物、違法となるすべてのものの法廷内への持ち込みを禁止
  • 礼節のある行動をとること
  • 写真および音声を記録しないこと
  • 裁判当事者はどの事件で出廷したかを裁判所書記官に申告し、携帯電話を消音にすること
  • 飲食物を法廷内に持ち込まないこと
  • 礼儀正しい服装を着用すること
  • サングラス、帽子を着用しないこと
  • キャミソール、ミニスカート等を着用しないこと
  • 足を組んだり、腕を組まないこと
  • ガムを噛まないこと

 なお、タイでは民事訴訟法に「司法権侵害罪」、刑法に「法廷侮辱罪」が定められていますので、悪質な場合は罰せられる可能性があります。

民事訴訟法
第31条
 以下の行為をする者は、司法権侵害罪とみなす。
(1)前条に定める秩序維持または裁判所における礼節を欠く行為に関する裁判所規則に従わないとき
(2)第156/1条に基づいて裁判所手数料の免除を申請し、許可を得た場合において、裁判所手数料免除の審理における供述内容または証拠が虚偽であることが判明したとき
(3)相手方当事者の書類またはその他の書類の自己への送達を知った場合において、意図して受領しない、または受領を避ける行為をしたとき
(4)第54条違反となる、裁判書類のすべてもしくはいずれかを閲覧または複写したとき
(5)裁判所が第19条に基づいて命令を出し、または判決に基づく債務者もしくは第177条に基づく第三者に対する召喚令状が出た場合において、出廷しないとき

第33条
 裁判所は司法権侵害を行った裁判当事者まはた第三者に対して以下のいずれかもしくは双方の罰則を命令する権限を有する。
(ア)裁判所からの強制退廷
(イ)懲役もしくは罰金、またはその併科
 強制退廷は裁判所が適切と認める裁判審理の一時的期間またはその他の期間とする。必要のあるときは警察を手配することもできる。
 懲役および罰金を定めるときは6カ月以下の懲役または500バーツ以下の罰金とする。

刑法
第198条
 公判において裁判所または裁判官を侮辱、または公判を妨害した者は1年以上7年以下の懲役もしくは2万バーツ以上14万バーツ以下の罰金、またはその併科とする。