コロナ休業補償
新型コロナウィルスの感染拡大に伴って、タイ政府は3月26日から非常事態令に基づく非常事態宣言をタイ全土を対象に発令しましたが、バンコク都および首都圏5県(ノンタブリ県、ナコンパトム県、パトゥムタニ県、サムットプラカン県、サムットサコン県)ではそれに先立つ22日から多くの人が集まる施設の閉鎖措置を実施しました(その後、全国を対象へ)。主な施設はレストラン(持ち帰り、配達のみ可)、ショッピングモール、美容室、マッサージ、スポーツ施設、教育施設、映画館等です。また、外国人の入国制限や航空機のタイへの着陸禁止措置等が適用されたことにより、タイの主要産業のひとつである観光産業も打撃を受けており、休業や倒産となる事業所が続出しています。
このような状況により失業者や一時帰休者が急増したため、政府は国民向けに様々な救済措置を講じています。失業者や自営業者向け(農家、学生、主婦等は除く)には月5,000バーツを6カ月間支給する救済措置を実施し、すでに一部で給付が始まっています。
一方、政府命令により休業を余儀なくなれた事業所の従業員やコロナ感染者との濃厚接触の疑いにより14日間の休職を余儀なくなれた従業員向けには社会保険から休業補償が給付されることになりました。給付額は当初は賃金の50%でしたが、3月31日の閣議決定により同62%まで引き上げられています(最大90日間)。給付を受けるには休業期間中は無給であることが条件となります。
その後、4月15日の閣議決定により政府命令による休業だけではなく事業主による自主休業も対象となりました。
なお、社会保険制度は月額賃金の上限額が15,000バーツで設計されていますので、賃金が同額を超える従業員の給付額(月額)はすべて9,300バーツ(15,000×62%)となります。
その他、社会保険関係の措置は以下の通りです。
- 社会保険料率=雇用主4%、従業員1%(3〜5月分)
- 社会保険料の納付期限=3月分→7月15日、4月分→8月15日、5月分→9月15日
- 失業保険=自主退職の場合は賃金の45%を最大90日間、解雇の場合は同70%を最大200日間(2年間の時限措置)
条件等は随時変更される可能性がありますので、常に最新情報を確認してください。