タイ遺産相続(3)配偶者
今回は法定相続人のうち「法律上の配偶者」について説明します。
法律上の配偶者は常に法定相続人となりますが(民商法第1629条第2項)、被相続人に個人財産と婚姻財産(婚姻から被相続人の死亡時までに生じた財産)がある場合、まず婚姻財産の2分の1を配偶者に分割したうえで、婚姻財産の残り2分の1と被相続人の個人財産の合計を相続の対象とし、法定割合に応じて遺産分割することになります(同第1625条、第1635条)。
法律上の配偶者の法定相続分は次の通りです(同第1635条)。
- 第1629条(1)の子またはその代襲相続人がいる場合、配偶者は(1)と同順位となり、(1)とともに等分割する。
- 第1629条(3)の父母が同じ兄弟姉妹またはその代襲相続人がいる場合、または第1629条(1)の子がおらず、第1629条(2)の父母がいる場合、配偶者の法定割合は2分の1となる。
- 第1629条(4)の父または母が同じ兄弟姉妹もしくは(6)のおじ・おば、またはその代襲相続人がいる場合、または第1629条(5)の祖父母がいる場合、配偶者の法定割合は3分の2となる。
- 第1629条に定める法定相続人がいない場合、配偶者の法定割合は100%となる。
そして、配偶者に分割されたあとの残りを親族が受け取ることになり、同順位に複数いる場合は等分割し、1人の場合はそのすべてとなります。
(参照)
民商法第1629条第1項の「親族」の規定
- 子
- 父母
- 父母が同じ兄弟姉妹
- 父または母が同じ兄弟姉妹
- 祖父母
- おじ、おば